財務分析を使いこなす(3)-安全性分析のまとめ
”安全性分析まとめ”
ご訪問頂き、ありがとうございます。簡単管理インストラクターを目指すにわか会計人のヤグナです。
さて、財務分析の3回目になります。ちなみにこのシリーズは全10回程度を予定しております。今回のテーマは『安全性分析のまとめ』です!
前回までで、安全性分析の指標は一通りご紹介したわけですが、これらを紹介して終わったら時間のない面倒くさがりな事業者の皆様が実践できるわけがない!(失礼)
ということで、今回は安全性分析の指標を思いっきり絞って使うことをおすすめしてみたいと思います。
なお、最初に指標を使うときの注意点を押さえておきましょう!実はシリーズの最初では強調していたのですが、シリーズの途中でご訪問された方には、伝わらない可能性があるので今回から毎回冒頭に入れていきたいと思います。
1.最終ゴールの確認
前回までに、いくつか安全性分析の指標を紹介してきましたが、最終ゴールは『指標を使わずに安全性を見極めることができる』状態になることです。
なぜなら、指標を使って○○%だから安全とか、安全じゃないとか、言えるわけないんですよ。たとえば自己資本比率がどんなに低かろうが、ちゃんと経営活動の中から返済に必要なお金が捻出できているなら、そう簡単には潰れないでしょう。逆に自己資本比率がどんなに高かろうと、資産が薄く利益を生み出す力が鈍ってきているなら、それは望ましい状態ではないかもしれません。
結局はどんなに指標を駆使しても、最終的にはその指標が示した数値を『どう解釈するか』が、意思決定を左右します。つまり、結局は指標以外のところに目を向けることになります(目を向けなければなりません!)。指標を構成する数値がどう変化したのか、それはなぜか・・・そうして指標自体から離れたところに目をやることではじめて、解釈ができるのです。
決して、「自己資本比率が高い、よしうちは大丈夫!」とならないでください。そう、指標はあくまで分析の入口に過ぎないのです。
逆に言えば、指標を使わなくたって財務分析は十分できます。たとえば、短期安全性を測る「流動比率」がありますが、こんなもの使わなくても、今現金預金がいくらあって、来年はいくら必要かを考える。足りないならすぐにお金にできるのはいくらか、それでも足りないなら売掛金や来季の売上ですぐ現金になりそうなのは・・・と考えていけばいいだけです。
でも、最初はこんなの考えられないし、考えていたら時間がかかりすぎる。そこで指標という自動アラートシステムを利用するわけですね。
2.短期的な安全性を調べる
短期安全性の指標を使うなら、「流動比率」と「当座比率」の合わせ技がベターではないでしょうか。
流動比率で基本的な短期安全性を見ながら、当座比率で棚卸資産に頼りすぎていないかをチェックする。これで上手く流動比率の弱点を補うことができます。
なお、流動比率は200%以上が望ましいとか書いてある書籍も多くありますが、別にその数値にこだわる必要はありません。ただ、100%を切っていれば明らかに危険なのでご注意を。在庫が全部売れて現金になると仮定しても、まだ出て行くお金をフォローできないということなので、借り換えに失敗した途端倒産が目の前に迫ってしまいます。
まぁ、最終的にはパッと決算書を見て「来季金足りるのかこれ?」とすぐ見れるようになったら合格ですね!
短期的な安全性は経営者ならば必ず把握しておきましょう!さもなければ、来季よくわからないうちに資金繰りに追われ、お金のやりくりに走り回って一年が終わることになるでしょう。経営に力を入れられなかったツケが次の年に来て、また資金繰りに追われて自転車操業・・・ということになりかねません。
他のどんな指標をも差し置いて、短期的な安全性は経営者が確認しなければいけない最重要の項目です!これだけは覚えて帰りましょう。
3.長期的な安全性を調べる
長期安全性の指標の中では、「固定長期適合比率」と「自己資本比率」を使うとわかりやすいと思います。あと、感覚的に大丈夫か知りたいという場合は「債務償還年数」も捨てがたいですね。
もう計算式はいいですね、知りたい人は前回の記事を見てください(笑)。「固定長期適合比率」は短期安全性分析の「流動比率」の固定バージョンです。まぁ、危ないかどうかの参考程度に知っておいて損はないかな。
「自己資本比率」は、数値自体よりもその推移に注目してください。借入をしたのは返済は進んでいますか?進んでいれば自己資本比率は大きくなっていくはずです。ちゃんと毎年利益は出ていますか?出ていれば自己資本比率は大きくなっていくはずです。
「債務償還年数」が一番感覚的に経営に近いかもしれません。今のもうけなら何年間で借金返済できるか?という数値ですからね。これも推移をみてなんぼの指標ですね!
なんか、結論を出しにくいですが、使いやすい指標を使えばいいと思います。でも経営者なら最低、自分がどのくらいの割合で他人から資金調達しているかぐらいは把握しておいた方がいいかと・・・自己資本比率くらいは抑えていたほうがいいでしょうね。
結局、長期的な安全性って経営者にはあまり関係がないんです。特に小さな事業者さんには。関係があるのは銀行にお金を借りるときなど、外部が判断するときが多いので。短期的な安全性に比べれば重要度はガクッと落ちます。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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どうすればいいかわからない、けど指図もうけたくない!
という私と似た性格をお持ちの方、考えの整理お手伝いします。
下記ページをご覧下さい。
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”命絶つ前に・・・”
もう自分の居場所なんてこの世にないと思う方、
もし万が一いらっしゃればここを訪れたのも何かの縁、
下記ページをご覧下さい。
http://yaguna.blog.fc2.com/blog-entry-327.html
ご訪問頂き、ありがとうございます。簡単管理インストラクターを目指すにわか会計人のヤグナです。
さて、財務分析の3回目になります。ちなみにこのシリーズは全10回程度を予定しております。今回のテーマは『安全性分析のまとめ』です!
前回までで、安全性分析の指標は一通りご紹介したわけですが、これらを紹介して終わったら時間のない面倒くさがりな事業者の皆様が実践できるわけがない!(失礼)
ということで、今回は安全性分析の指標を思いっきり絞って使うことをおすすめしてみたいと思います。
なお、最初に指標を使うときの注意点を押さえておきましょう!実はシリーズの最初では強調していたのですが、シリーズの途中でご訪問された方には、伝わらない可能性があるので今回から毎回冒頭に入れていきたいと思います。
指標はただの道具!どう使うかはあなた次第
1.最終ゴールの確認
前回までに、いくつか安全性分析の指標を紹介してきましたが、最終ゴールは『指標を使わずに安全性を見極めることができる』状態になることです。
なぜなら、指標を使って○○%だから安全とか、安全じゃないとか、言えるわけないんですよ。たとえば自己資本比率がどんなに低かろうが、ちゃんと経営活動の中から返済に必要なお金が捻出できているなら、そう簡単には潰れないでしょう。逆に自己資本比率がどんなに高かろうと、資産が薄く利益を生み出す力が鈍ってきているなら、それは望ましい状態ではないかもしれません。
結局はどんなに指標を駆使しても、最終的にはその指標が示した数値を『どう解釈するか』が、意思決定を左右します。つまり、結局は指標以外のところに目を向けることになります(目を向けなければなりません!)。指標を構成する数値がどう変化したのか、それはなぜか・・・そうして指標自体から離れたところに目をやることではじめて、解釈ができるのです。
決して、「自己資本比率が高い、よしうちは大丈夫!」とならないでください。そう、指標はあくまで分析の入口に過ぎないのです。
逆に言えば、指標を使わなくたって財務分析は十分できます。たとえば、短期安全性を測る「流動比率」がありますが、こんなもの使わなくても、今現金預金がいくらあって、来年はいくら必要かを考える。足りないならすぐにお金にできるのはいくらか、それでも足りないなら売掛金や来季の売上ですぐ現金になりそうなのは・・・と考えていけばいいだけです。
でも、最初はこんなの考えられないし、考えていたら時間がかかりすぎる。そこで指標という自動アラートシステムを利用するわけですね。
★数値自体に良し悪しはない。それを決めるのは常に人
2.短期的な安全性を調べる
短期安全性の指標を使うなら、「流動比率」と「当座比率」の合わせ技がベターではないでしょうか。
流動比率で基本的な短期安全性を見ながら、当座比率で棚卸資産に頼りすぎていないかをチェックする。これで上手く流動比率の弱点を補うことができます。
なお、流動比率は200%以上が望ましいとか書いてある書籍も多くありますが、別にその数値にこだわる必要はありません。ただ、100%を切っていれば明らかに危険なのでご注意を。在庫が全部売れて現金になると仮定しても、まだ出て行くお金をフォローできないということなので、借り換えに失敗した途端倒産が目の前に迫ってしまいます。
まぁ、最終的にはパッと決算書を見て「来季金足りるのかこれ?」とすぐ見れるようになったら合格ですね!
短期的な安全性は経営者ならば必ず把握しておきましょう!さもなければ、来季よくわからないうちに資金繰りに追われ、お金のやりくりに走り回って一年が終わることになるでしょう。経営に力を入れられなかったツケが次の年に来て、また資金繰りに追われて自転車操業・・・ということになりかねません。
他のどんな指標をも差し置いて、短期的な安全性は経営者が確認しなければいけない最重要の項目です!これだけは覚えて帰りましょう。
★短期的な安全性は経営者なら把握しておく!
★慣れるまでは流動比率と当座比率の合わせ技で確認
3.長期的な安全性を調べる
長期安全性の指標の中では、「固定長期適合比率」と「自己資本比率」を使うとわかりやすいと思います。あと、感覚的に大丈夫か知りたいという場合は「債務償還年数」も捨てがたいですね。
もう計算式はいいですね、知りたい人は前回の記事を見てください(笑)。「固定長期適合比率」は短期安全性分析の「流動比率」の固定バージョンです。まぁ、危ないかどうかの参考程度に知っておいて損はないかな。
「自己資本比率」は、数値自体よりもその推移に注目してください。借入をしたのは返済は進んでいますか?進んでいれば自己資本比率は大きくなっていくはずです。ちゃんと毎年利益は出ていますか?出ていれば自己資本比率は大きくなっていくはずです。
「債務償還年数」が一番感覚的に経営に近いかもしれません。今のもうけなら何年間で借金返済できるか?という数値ですからね。これも推移をみてなんぼの指標ですね!
なんか、結論を出しにくいですが、使いやすい指標を使えばいいと思います。でも経営者なら最低、自分がどのくらいの割合で他人から資金調達しているかぐらいは把握しておいた方がいいかと・・・自己資本比率くらいは抑えていたほうがいいでしょうね。
結局、長期的な安全性って経営者にはあまり関係がないんです。特に小さな事業者さんには。関係があるのは銀行にお金を借りるときなど、外部が判断するときが多いので。短期的な安全性に比べれば重要度はガクッと落ちます。
★重要度は高くない
★少なくとも自己資本比率程度は把握しておかないと格好悪い
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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どうすればいいかわからない、けど指図もうけたくない!
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”命絶つ前に・・・”
もう自分の居場所なんてこの世にないと思う方、
もし万が一いらっしゃればここを訪れたのも何かの縁、
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http://yaguna.blog.fc2.com/blog-entry-327.html
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