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コアコンピタンスの形成~小規模企業白書事例紹介(1) - 怠け者専用!マイペース個人経営ヒント集

コアコンピタンスの形成~小規模企業白書事例紹介(1)



2015年 8月17日(月)

”コアコンピタンスの形成例”


ご訪問頂き、ありがとうございます。
経営生活相談役のヤグナです^ ^

さて、今回は小規模事業者の事例を見ていきましょう。
私みたいなやつが一般論を語るより、
他者の事例をご紹介しつつ、ポイントをまとめたほうが、
少しでも皆さんのためになるかと思います。笑

なお、事例は今年から編纂されるようになった、
中小企業庁の『小規模企業白書』のものをそのまま
引用しています。


目次
1.(事例)株式会社坂田鉄工所さん
2.ポイントをまとめてみた!



(事例)株式会社坂田鉄工所さん


2015年版 小規模企業白書 p160より

(鋼構造物工事業・機械器具設置工事業)
〈従業員12名、資本金300万円〉

「“仕事によって育てられた”企業が、
揺るぎない技術力と知識を武器に突き進む」

◆事業の背景と転機

炭坑が盛んな時代に鋳物からスタート。
仕事をこなすことで新たな技術を習得。

かつて興隆した石炭産業。戦前日本で最大規模を誇った筑豊炭田をはじめ、九州にも多くの炭坑が形成されていた。地場だけでなく、中央の大手資本も進出するなど産業の中心として栄えた時代、福岡の実業家・炭鉱王として有名な伊藤伝右衛門が大正時代に設立した養成学校で、鋳物の技術を学んだのが、株式会社 坂田鉄工所の創業者である坂田新氏。現在の代表取締役である坂田義人氏の父である。

「炭坑では地下水を汲み上げなければなりません。そのポンプやウインチ、トロッコの車輪の製造を父が始めたのが、昭和25年のことです。父が亡くなり、昭和39年に私が事業を継ぎましたが、東京オリンピックや高度経済成長期の影響もあって、九州にも大手企業が増えました。でも炭坑は衰退の一途、鋳物だけでは将来はないと考え、溶接や建設の技術を磨くことにしました。」

時代背景から見てもこれは自然な流れでもあった。減り始めた炭坑関係の仕事の代わりに、農家のポンプなども手掛けるようになったが、製品の設置まで自社でしなければならない。その際、溶接の技術が必要となる。実績を残すと新たな仕事の話が舞い込む。お客さまの要望に応えるために、勉強をして技術を磨く。その繰り返しで、鋳物からスタートした会社は、さまざまなニーズに真摯に取り組みながら、新しい技術と知識を習得、鉄工だけでなく、据付工事なども行うようになった。そして同社にさらなる飛躍をもたらしたのが、昭和58年に会社を法人化したこと。当初、法人化に踏み切った理由は「安定した人材の確保」だったが、結果的に同社の地盤ともいえる溶接、鉄工の技術を強化することにつながったのである。

◆事業の飛躍

培われてきた技術と知識により、
業務内容が拡大、仕事の質も向上。

「当時、年金や保険といった保障がきちんとしていない会社は、見向きもされませんでした。逆に言えば、法人化し、厚生年金や社会保険を完備したことで、溶接のコンクールで賞を取った職人や大型船の解体で腕を振るっていた職人など、優秀な人材が集まりました。すると、その技術の習得を目指す若者までやってくるようになってきたのです。今までいた職人たちも、それまで鉄板の溶接しかできなかった人が、パイプやステンレスの溶接までできるようになるなど、会社全体が目に見えてレベルアップしていきました。」

たとえば“溶接”というと、単純に鉄と鉄を接合するだけのイメージだが、素材や形、溶接する場所によって必要な技術はもちろん、難易度も異なる。なかでも難しいのがステンレスパイプの溶接で、溶接電流の知識、作業スピードや姿勢など、豊富な知識と経験が要求されるという。同じように、機械を設置する際は、配線などの知識が必要とされるし、現場の状況に合わせて部品を設計・製造して取り付けなければならない場合もある。こうして「依頼された仕事によって育てられた」技術と知識を生かし、同社は重量鉄骨、鋼構造物事業など業務内容を拡大。さらに鉄骨製作工場の性能評価基準である国土交通大臣認定工場(Mグレード)も取得、業務の質も証明することで、クライアントからの信頼も得ることになった。こうした技術力が目に止まり、無理難題を突きつけられることもあったが、それをクリアすることが血となり、肉となっていった。

「現在は、重軽量鉄骨工事、下・汚水処理機械製作と設置、機械据付工事、鉄骨トラス工事と幅広く手がけていますが、軸となっているのは公共事業で、具体的にいうと下・汚水処理用ポンプの据付工事です。派手な仕事ではありませんが、お客さまが思っていた以上の仕上がりを意識して、100点満点のところ105点いただけるように努力しています。人間の目は意外と正確で、直線であるべきものが曲がっていると違和感を覚えます。だからパーツの精度は不可欠。また溶接個所を最小限に抑え、設置されたときの見栄えの良さも意識しています。重要なのは段取り。機械自体はメーカー品ですが、現場での作業がスムーズに進むように、据付に必要な部品を工場で製造します。工場で現場作業をイメージしながら準備できるのも、溶接や鉄工の技術と知識に自信を持っているからです。」

◆今後の事業展開

デザイナーとの二人三脚で新事業を展開。
アンテナショップとして技術力を知らしめる。

景気の影響は受けたものの、法人化してから現在まで深刻な経営難に陥ったことはなかった。しかし、公共工事が行われるのは冬期がほとんどで、年間を通してみると夏期が閑散期となっていた。義人氏の長男であり、専務取締役の坂田健一氏は「仕事を受けることで会社も変化し成長してきたのは事実です。しかし、経営革新の申請をしたときに考えたのです。閑散期に何も行動を起こさなかったり、新しいニーズがないと成長できないのでは、自社の可能性が広がらない。これからは“受け身”ではなく、自分たちから発信して“進化”していかなければ」と話す。その取組の一つが、商工会青年部の活動がきっかけで知り合った建築デザイナー・井上聡氏(イノウエサトル建築計画事務所)との二人三脚でスタートした事業。井上氏と共同でデザインしたスチール製の製品を、同社で製作し、据え付けるというもの。

「幅広い分野で仕事をしてきましたが、唯一、住宅関連はあまり受注がありませんでした。理由は簡単で、住宅では溶接にこだわったり、そこにお金をかける工務店やオーナーさまが少なかったからです。でも弊社の技術力があれば、デザイナーのどんな要望にも応えられますし、仕上がりにも自信があります。井上さんと組むことで、これからは“見せる溶接”をしていきたいと思っています。そのための別法人、株式会社スチール ラボラトリーをすでに設立し、活動も開始しました。この会社が、坂田鉄工所の技術力を披露するアンテナショップの役割を担ってくれたらいいですね。」

新事業でかかわったある個人宅の階段工事では、溶接ですむところをデザイン性にこだわってボルトを使用した。そのため、パーツ製作では1ミリの狂いも許されない精度の高さが求められたという。まだスタートしたばかりで、これまでの依頼は3件だけだが、今後はスチール棚や机などオーダーメイドの家具も取り扱っていく。

さらに健一氏はグローバルな展開を夢見る。

「実は、工場の2階に『アイアンジム』という格闘技ジムを設立したのです。格闘技が盛んなタイやフィリピンの若い人を雇用し、彼らに溶接や製造の技術を教え、仕事が終わったら今度はジムで地元の中高生にムエタイやキックボクシングを教えてもらう。外国人にはコミュニケーションの場を提供し、中高生には3Kと言われるこの業界のイメージを少しでも払拭してもらえればと考えています。」

外国人労働者の目標は、溶接や鉄工の技術をマスターし、母国で起業すること。その際は同社の使っていない機材を提供し、提携企業として関係を結びたい話す。

「弊社の海外進出の足がかりというだけではなく、このビジョンの目的は、技術の伝承、そして地域貢献です。“多久の田舎者でも世界に通用する”ということを証明し、地元の人に勇気を与えたいと思っています。」

“受け身”から“発信型”へと変化を遂げようとしている同社。培われてきた技術と知識に確固たる自信を持っているからこそ、攻めの姿勢を貫けるのだろう。





ポイントをまとめてみた!


○強調されているポイント
・・・コアコンピタンスである「溶接」を活用した事業展開

○コアコンピタンス設定の視点
・・・当初事業のみではジリ貧になるはずだったが、
  その他の関連事業でも必ず必要となる「溶接」を
  戦略の鍵としたのはポイント

○コアコンピタンスの源泉
・・・技術者の質、つまり「ヒト」が源泉となっている



特に「コアコンピタンス設定の視点」は他社でも参考に
できるのではないでしょうか。


一度ある事業で成功するとその成功経験がネックとなり
環境の変化への対応が遅れ、失敗するケースがあります。


有名な例で言えば、米コダックの経営破たんが有名ですね。
”フィルムの巨人”と呼ばれたコダックが、デジカメの台頭に
よって衰退したという話は記憶に新しいですね。


コダックの例から学べることは、”1製品”に依存することの
危うさです。コダックのコアコンピタンスはフィルム事業だ
ったのか・・・?


いろいろな答えがあるでしょうが、同くフィルムを手がけた
富士フィルムは、フィルム”技術”をコアコンピタンスに定め、
それを生かした医療・美容分野への多角化を成功させまし
た。


コアコンピタンスの設定いかんで、戦略の幅が決まる。
このことは頭に入れておいて損はないはずです。


NEXT:
コアコンピタンスの設定要件~自社・自分の強みが分からない!




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