財務諸表からJALの倒産を見抜こう!
”借換えに頼って生きていたら要注意”
ご訪問頂き、ありがとうございます。見える化インストラクターを目指すにわか会計人のヤグナです。
旧JALの倒産を見抜こう!第三弾です。
前回でお金が回らなくなったら倒産するという話、営業CFで賄える範囲で出金を抑えなければならないという話をしてきました。
今回は、その前提知識を持って倒産前JALの台所事情の真実を暴いてみたいと思います。
1.旧JAL資金の確認
数字がいっぱい並ぶので、とりあえず読み飛ばしても大丈夫です。
細かい項目は削って概算にしてありますので、ご了承ください。
<必要資金>(単位:百万円)
①財務CF
仮計:△192,592
内訳:長期借入返済△122,592/社債返済△70,000
②投資CF
固定資産純増△59,072
①+②=△251,664
<用意可能資金>
④営業CF
仮計:133,501
当期純利益+16,921/減価償却費+116,580
⑤財務CF
株式新規発行+151,825
⑥現金預金等:354,977
2.JALの台所事情
さて、数字が並んで退屈でしたね。
でも、大事なことは数字を並べることではありません。
上の数字からストーリーを読んでみましょう!
まず「営業CFで必要資金を賄えているか?」でしたね。
営業CF(+133,501)で、必要資金合計(△251,664)となっています。
大体、抑えるべき金額の2倍の必要資金が生じていることがわかります。
では、足りない資金はなにで補っているのでしょう?
⑤財務CFをみると、新規株式発行で+151,825調達しています。
返す必要ないじゃん!と思うでしょうか?
必要資金のうち、長期借入返済と社債返済は『固定支出』です。
特に長期借入金はなくなるまで、来年からも支出は同レベルで続きます。
一方、株式発行を毎年できるかと言えば・・・
当然、できませんね。誰も買ってくれないでしょう。
さて、一度旧JALの状況をまとめてみるとこうなります。
「営業CFを超える財務CFの支出が当面続くため、借換などにより補填しなければ経営が維持できない状態」、補足ですが新しい機種(エアバス)の購入契約が縛りとなり投資CFも同レベルの支出が続く状態でもありました。
このストーリーの中の前提は、①営業CFが維持できる、②借換ができる、の2点です。
景気が悪くなった時、①の前提は崩れますし、当期純利益がほとんどでないJALの場合、
①が崩れ全体の景気が押し下げられれば借換えも困難になります。
つまり、「景気が悪くなれば破綻は必至」という状態にあったと読み取れるわけです。
これが財務諸表に隠されていた本当の旧JALの台所事情だったわけです。
案の定、リーマンショックの到来を受け立ち直れなくなったというわけですね。
3.なにが問題だったか
最後にどうすれば倒産までいかずに済んだのか、をまとめて私たちの教訓とさせていただきましょう。
ポイントは借換に頼るのが普通になっていたことでしょう。
常に借入に頼っている状況はやはり健全ではありません。
借入は必要なときにできるよう枠をとって置くものです。
一度自社に置き換えて、「もし借換えができなくなったら会社はどうなるか?」を問いかけてみましょう。
潰れると思うなら、今すぐ行動に移しましょう!
大丈夫、今からでも遅くはないはず!
<今日のまとめ>
★借換えで生きてたら要注意
★数字からストーリーを読む
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
これからも、皆様が少しでも簡単に会計・数字を経営に生かせる方法を追求して行きたいと思いますので、ご興味のある方はfeedlyにて定期購読をご利用ください。下記リンクよりご登録ください。

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”一緒に悩ませてくれませんか?”
どうすればいいかわからない、けど指図もうけたくない!
という私と似た性格をお持ちの方、考えの整理お手伝いします。
下記ページをご覧下さい。
http://yaguna.blog.fc2.com/blog-entry-329.html
”命絶つ前に・・・”
もう自分の居場所なんてこの世にないと思う方、
もし万が一いらっしゃればここを訪れたのも何かの縁、
下記ページをご覧下さい。
http://yaguna.blog.fc2.com/blog-entry-327.html
ご訪問頂き、ありがとうございます。見える化インストラクターを目指すにわか会計人のヤグナです。
旧JALの倒産を見抜こう!第三弾です。
前回でお金が回らなくなったら倒産するという話、営業CFで賄える範囲で出金を抑えなければならないという話をしてきました。
今回は、その前提知識を持って倒産前JALの台所事情の真実を暴いてみたいと思います。
1.旧JAL資金の確認
数字がいっぱい並ぶので、とりあえず読み飛ばしても大丈夫です。
細かい項目は削って概算にしてありますので、ご了承ください。
<必要資金>(単位:百万円)
①財務CF
仮計:△192,592
内訳:長期借入返済△122,592/社債返済△70,000
②投資CF
固定資産純増△59,072
①+②=△251,664
<用意可能資金>
④営業CF
仮計:133,501
当期純利益+16,921/減価償却費+116,580
⑤財務CF
株式新規発行+151,825
⑥現金預金等:354,977
2.JALの台所事情
さて、数字が並んで退屈でしたね。
でも、大事なことは数字を並べることではありません。
上の数字からストーリーを読んでみましょう!
まず「営業CFで必要資金を賄えているか?」でしたね。
営業CF(+133,501)で、必要資金合計(△251,664)となっています。
大体、抑えるべき金額の2倍の必要資金が生じていることがわかります。
では、足りない資金はなにで補っているのでしょう?
⑤財務CFをみると、新規株式発行で+151,825調達しています。
返す必要ないじゃん!と思うでしょうか?
必要資金のうち、長期借入返済と社債返済は『固定支出』です。
特に長期借入金はなくなるまで、来年からも支出は同レベルで続きます。
一方、株式発行を毎年できるかと言えば・・・
当然、できませんね。誰も買ってくれないでしょう。
さて、一度旧JALの状況をまとめてみるとこうなります。
「営業CFを超える財務CFの支出が当面続くため、借換などにより補填しなければ経営が維持できない状態」、補足ですが新しい機種(エアバス)の購入契約が縛りとなり投資CFも同レベルの支出が続く状態でもありました。
このストーリーの中の前提は、①営業CFが維持できる、②借換ができる、の2点です。
景気が悪くなった時、①の前提は崩れますし、当期純利益がほとんどでないJALの場合、
①が崩れ全体の景気が押し下げられれば借換えも困難になります。
つまり、「景気が悪くなれば破綻は必至」という状態にあったと読み取れるわけです。
これが財務諸表に隠されていた本当の旧JALの台所事情だったわけです。
案の定、リーマンショックの到来を受け立ち直れなくなったというわけですね。
3.なにが問題だったか
最後にどうすれば倒産までいかずに済んだのか、をまとめて私たちの教訓とさせていただきましょう。
ポイントは借換に頼るのが普通になっていたことでしょう。
常に借入に頼っている状況はやはり健全ではありません。
借入は必要なときにできるよう枠をとって置くものです。
一度自社に置き換えて、「もし借換えができなくなったら会社はどうなるか?」を問いかけてみましょう。
潰れると思うなら、今すぐ行動に移しましょう!
大丈夫、今からでも遅くはないはず!
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★借換えで生きてたら要注意
★数字からストーリーを読む
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